被災地支援センター
JDF能登半島地震支援センター連絡会議(第14回)
日時 2025年10月15日(火)午後2時~3時
オンライン開催
1.センターの活動報告
・能登半島地震支援センターは来年3月まで活動を延長し、個別支援、事業所支援などに引き続き取り組んでいる。個別支援はこれまでに106件、うち継続中は35件、事業所支援は7か所である。
・公費解体も進み、七尾の4大祭りも復活、白米千枚田の稲作も一部再開されており、復興は徐々に進みつつあるが、障害のある人の困難や支援事業所の人手不足などの課題は続いている。
・奥能登地域自立支援協議会輪島市連絡会の皆さんと、支援者支援を目的とした研修と交流の行事を、AAR Japan の補助を受けて実施した。こうしたつながりを今後の取り組みのエネルギーとしたい。
・センターで行っている移動支援のルートで、公共交通機関を使用するとどのくらいの時間がかかるかについても、引き続き実地調査を行っている。
・こうした移動支援の課題については、石川県障害保健福祉課との懇談でもご報告している。現在県では、奥能登2市2町共通AIオンデマンド交通システムの導入に向けての協議が進められているが、ぜひ障害のある人の利用を前提とし、利用手続きや乗降時の配慮、利用料の減免などを考慮いただくとともに、協議の場にも障害者が参加して意見を述べることができるよう、依頼を申し上げた。
・県との懇談は来月も予定されており、また連絡会議メンバーにもご案内させていただく。
・JDFから代表が参加している、国の「被災者支援の在り方検討会」での情報によれば、今年の法改正でスタートした被災者援護協力団体の登録申請がスタートしており、近日中に登録状況等の発表が行われる予定とのことである。
2.県内各団体・関係団体からの情報など
・奥能登ろうあ協会では、奥能登の4つの市町に毎年秋に要望行動を行っているが、今年は10月7日に実施した。手話言語の理解促進のための講座や手話の日ブルーライトアップ等の取り組み、緊急災害時における情報アクセス、緊急災害時における当事者団体へのきこえない人の個人情報提供と戸別訪問の実現、福祉避難所の充実、手話奉仕員養成と手話通訳者の市町への正規採用、市町が主催する各行事の情報保障などを要請した。特に災害時の要支援者等の戸別訪問に、障害者団体が参加することで、ピアサポートを含む適切で専門的な支援が可能となる。
・やなぎだハウスは昨年9月の奥能登豪雨で浸水被害を受けた床などについて、聴覚障害者災害救援中央本部の支援を受けて修繕工事中である。12月5日にその修繕完工式を行う予定であり、JDFもお招きしたい。
・やなぎだハウスでは職員の体調不良などもあり人員が不足しており、この面でもJDFに支援の相談をさせていただいている。
・福祉施設の防災計画見直しに向けた委員会(防災計画作成指針策定委員会)の初会合が開かれ、避難者受け入れを含む今後のよりよい体制に向けて意見交換が行われた。障害者施設に関する委員会に、石川県身体障害者団体連合会、石川県手をつなぐ育成会、石川県精神障害者家族会連合会が参加し意見を述べた。
・1月30日から、石川県能登半島地震地域コミュニティ再建事業として、和倉温泉の被災により仕事を失った視覚障害のあるマッサージ師による出張マッサージが行わ、石川県視覚障害者協会が事業を受託していることは前回もお伝えした。9月末までに89名のマッサージ師が派遣されたが、特に8月以降に要望が増え、リピート要望もある。今後冬場になると派遣の機会が減ることも予想される。また平成7年度までの2か年事業となっているため、和倉温泉が復興するまで、8年度以降も継続されることを望んでいる。
3.2026年1月、震災2年の取り組みについて(JDF地域フォーラムin石川)
・地域フォーラムについて和倉温泉を開催地とした企画案が提案され、意見交換が行われた。次のような意見があった。これを元に、企画を進めていくこととした。
・今年1月に開催した報告会と同様、奥能登の当事者や支援者の声を直接聞く時間はぜひ設けたい。
・県では障害者温泉療養事業が行われており、今回の会場もその指定宿泊施設である。そうしたことも踏まえ、ユニバーサルツーリズムの視点を含めてはどうか。
・和倉温泉ではまだ営業を再開できない宿泊施設がほとんどで、視覚障害のあるマッサージ師も仕事ができずにいる。フォーラムの参加者や、また宿泊する人も含め、ぜひマッサージを体験いただきたい。そのことについて主催者としても補助してはどうか。
・やなぎだハウスの利用者の思いなどを発表する時間も設けたい。冬季の交通事情もあり、発表形態についてはオンラインも含め柔軟に考えたい。
・1月に「のとからの風」展が予定されており、関係資料の展示など何らかの連携・連動を考えてはどうか。
・知的障害のある本人の声を含め、少しでも地元の人たちの声を伝えられるとよい。
4.意見交換、今後の活動予定等
・次回連絡会議は、11月13日(木)午後2時から開催する。
(まとめ JDF事務局)
参加団体(順不同)
(石川県団体)
石川県身体障害者団体連合会
石川県視覚障害者協会
石川県聴覚障害者協会
石川県手をつなぐ育成会
きょうされん石川支部
地域支援センターポレポレ(ゆめ風ネット加賀)
(JDF構成団体等)
日本身体障害者団体連合会
日本視覚障害者団体連合
日本障害者協議会
全国手をつなぐ育成会連合会
全国精神保健福祉会連合会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
日本障害者リハビリテーション協会
(関係団体より)
ゆめ風基金
難民を助ける会 AAR Japan
ヤマト福祉財団